システムの自動処理化は有効か
ショッピングセンター(商業施設)のシステムの中核は、テナント売上管理、家賃請求、クレジット精算システムから構成されている。
ショッピングセンターにより、預託金(売上預かり)精算やクレジットの統一加盟による精算がある。
システムを稼働することにより、ショッピングセンター(商業施設)のほとんどの収入情報はシステムの中に格納されていることになる。
システム化の範囲を広げるとテナントの契約情報管理や、リート物件のためのレポーティング業務まで対応が可能である。
システム対象となる商業施設の運営管理業務は範囲が広く、目的もそれぞれ異なる。
■よく、話題になることは
・システム入力データを手動によらずに全て自動的に処理が行えないか。
・似たようなデータを異なったシステムに多方面に再利用できないか。
というお話しを頂くことが多い。
確かに、同じデータをそれぞれのシステムに入力することは無駄なことである。
しかし、データの入手経路や、タイミング、利用目的、管理方法、使用方法などが違っている場合はどうであろうか。
■例えば
テナント契約の更新や契約書そのものを法的な目的とテナントと交渉するために必要な情報と、家賃請求をするための情報はある部分は同一であるが、他の部分は賃料や諸経費、精算のタイミングなどが必要な請求システムと契約業務系情報のレベルが違うのである。
また用途も異なる。
このような契約業務系の情報システムから、家賃請求のシステムに自動的に連携することは、机上では考えられることであるが、現実には大変に使いにくいものとなり、それぞれの仕事の効率は格段に悪くなる。
一言で言えば、システムのために業務を行なうような本末転倒な話になる。
もちろん、開発費に多大な投資をすればシステム化は可能なことではある。
もっとわかりやすく言えば、車を船や飛行機として兼用にするようなことである。
本来であれば、目的や用途に応じて、車や自転車や船を使い分けることが効率的であり経済的でもある。
システムとは何かの基本的な知識がない場合で、システムは何でもできるであろうと考えることは大変に危険なことであり、経済的効果を悪くするのである。
システムは明確な利用目的ごとに用意することがもっとも望ましい。
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